遺言の文言が少し異なると、相続する財産が大きく変わってしまうケース

先日、2名の弁護士さんが作成し、公証役場で認証を受けた遺言書を見て欲しいと相談がありました。

遺言者は、子供がいない90歳代後半の方。
その方の施設の手配や財産を管理している友人(60歳代)がご相談者です。

遺言者は依頼した当時、弁護士さんたちに、その希望として、「100万円は弟に、残りの財産は全て世話になっている友人に遺贈したい。」と伝えたそうです。

そこで、公正証書遺言の文言を読んでみると、概要は以下のとおりでした。

■2名の弁護士さんたちが作成し、公証人の認証を受けた遺言の文言

「A銀行の預貯金及びB銀行の預貯金のうち金100万円を弟に相続させる。
残り全部を友人に遺贈する。」

このような文言では、弟様が相続する預貯金が「A銀行の預貯金+金100万円」なのか、「金100万円のみ」なのか不明瞭です。

よって、遺言者が亡くなった後に、金融機関がどのように判断するか、または、払い戻しを受けられるのか心配です。

■司法書士高橋が助言した遺言の適切な文言

「金100万円を弟に相続させる。残りの全財産を友人に遺贈する。」

文言こそ短いですが、このように端的に記載をした方が、明瞭となり、適切な内容と言えます。

このように、遺言書の文言は、ちょっとした違いで、その法的な効力が変わってしまうことがあります。

弁護士や司法書士でも、それぞれ得意とする専門分野があります。

遺言書の作成を依頼する場合には、遺言作成を得意とする専門家に依頼をすることがとても大切です。

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