では今回は前回予告しました通り、敷金がどう明文化されるのかご紹介したいと思います。
原案では、敷金を「賃料などの担保として借り主が家主に交付する金銭」と定義します。
そのうえで、返還時期を「賃貸契約が終了し、物件を引き渡したとき」と明確に規定し、家賃滞納などがあれば敷金を充てることができるとし、敷金をめぐる基本的なルールを明らかにするようです。
部屋の原状回復義務については、「通常の使用による損傷、経年劣化を含まない」と限定して明記し、退去時に、貸主側から敷金からの修繕代の差し引きを求められた場合の判断基準ができるようになります。
この表記は過去の判例を明文化したものなので、民法部会でも特に大きな異論はなかったようです。
敷金という慣習で続いてきたものに法律的裏付けとルールができることで、借主に有利に働くことはもちろんのこと、貸主側も紛争を未然に防ぐ事ができるとも考えることができます。借主は法でルールが明確化されたことに安心するのではなく、同時にルームクリーニングや鍵交換などの特約といった契約内容をしっかり確認することがより一層大事になります。
民法部会で承認されれば条文整備に入り、来年2月をめどに法制審として法務大臣に答申、その後来年の通常国会において民法改正案を提出する方向とのことです。
つまり、早ければ来年度中に民法の大改正がおこなわれる可能性もあるのです。
この機に、自分の敷金はいくらで、契約内容はどうだったかな?と確認されてみてはいかがでしょうか?
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