不要な不動産問題に関する解決策はそれぞれです。
最適な解決策を提案するには、ご相談やご依頼を受ける弁護士、司法書士、行政書士の経験と対応力が問われます。
1.処分型
(1)買主を探す
・近隣の状況を確認し、隣地所有者、近所の方、借地人などに売却
(例)隣地が中古自動車業者で在庫車の保管場所として2万円で売却
(例)隣家に30万円で売却
(例)貸家であり、賃借人に100万円で売却
(2)贈与をする
(例)地方の土地を遠縁に親戚に贈与
(例)隣地所有者に贈与
(3)有償で不動産会社に引き取ってもらう
・早く解決をしたい場合には有効な解決策だが、田畑は不能。
(4)建物解体をしておく
・将来の相続の際に相続土地国庫帰属制度を活用する場合は、家屋を解体しておくことがポイント。
・まずは複数社から解体費用・残置物処分費用の見積りを依頼する。
・次に、有償で不動産会社に引き取ってもらうか、相続放棄か、相続土地国庫帰属制度かを費用面で比較検討するのがコツ
2.放棄型
(1)相続放棄
・不動産(土地建物)が多数ある場合、田畑がある場合の解決策
・相続土地国庫帰属制度では適用されない不動産の解決策
・相続放棄をする前提で、生前にこの負動産以外は年金口座のみとする
(生命保険の活用、自宅は夫婦間贈与や相続時精算課税により生前贈与、年金口座は都度引き出し)
(2)相続財産清算人申立て
・民法改正により、相続放棄をした方に管理義務は残らないケースが大半であるため、相続財産清算人申立てはモラルの観点から判断。
・管轄家庭裁判所に連絡し、予納金の金額も調査する必要あり。
3.相続土地国庫帰属制度
・田畑の場合は有効な解決策
・田畑以外は、負担金などの必要費用を試算して、有償で不動産会社に引き取ってもらう場合と費用面で比較すること
・土地の状況を把握し、適用要件に該当するか調査
・現地調査と境界杭の設置もポイント(隣地所有者とのトラブル回避)
・解決まで時間がかかるため、所有者が高齢である場合は注意。