12月7日のブログでご紹介しましたとおり、大多数の方が遺言書を残さずに亡くなられるので、相続が生じると、相続人全員で遺産分割協議をすることが一般的です。
この遺産分割協議について、多くの方々が誤った認識をしており、それにより悲劇を招くことが多々あります。
一例として、兄弟姉妹で話し合いをし、ある相続人は一切の財産を相続しない形で、遺産分割協議が成立したとしても、その方がプラスの財産を相続しない法律効果が生じるのみで、
借金は民法で決められた相続分で、承継される点です。
典型的なのが、親の商売を継いだ子供と、継がない子供がいる場合です。
親の財産の大半が商売上必要不可欠な不動産であれば、遺産分割協議において、商売を継いだ子供が財産を相続する内容となり得ます。
この形で、遺産分割協議を成立させた後、商売が上手くいかずに、支払いが滞ると、債権者は
全くプラスの財産を相続しなかった相続人に対しても、その法定相続分の範囲で、請求することが出来る
のです。
このように、遺産分割協議の法律的効果について、その認識を誤ると、悲劇を招くことがあるのです。
ちなみに、このケースの場合は、
家庭裁判所に相続放棄
をすることが最適な方法です。
相続発生時の状況は、千差万別ですので、正しい認識のもと、最適な手続き選択をする為に、司法書士等の専門家に相談することが大切です。