法務局で相続登記の相談をしたら、「相続登記はいつでも大丈夫ですよ。」と言われた事例

 

コロナウイルス感染拡大の影響により、緊急事態宣言が発令されている中、当事務所に1本の電話がありました。
お話しをお聞きすると、先日夫が亡くなり、不動産の名義変更(相続登記)を当事務所にお願いしたいとの内容でした。

そこで、相続関係や財産の状況をヒアリングしたところ、以下のような状況でした。

1.相続人の状況
亡夫の相続人は、ご連絡を頂いた奥様(70歳代後半)、中国人と結婚したが子供がいなく、金銭的にルーズな長男、親孝行で優しく、子供が1名いる長女の3名でした。

2.不動産の状況
奥様はすでに遺言書を作成しており、所有する不動産は、夫との共有である不動産を含めて3つあります。

電話でのお問い合わせの最後に、ご予約の日時を設定しました。

ところが、数日後にご連絡があり、「長女が法務局で相続登記の相談をしたところ、『相続登記は申請をする期限が特にないため、
急いで名義変更をしなくても、全く問題ないですよ。』と言われたので、予約をキャンセルしたい。」と言われました。

さて、今回のケースでは相続登記を先送りすると、下記のような弊害があります。

1.認知症となってしまう可能性がある!
相続登記をしないまま、高齢の奥様が認知症となってしまった場合、成年後見人の選任が必要となり、多大なる時間と費用が掛かることになります。

2.相続財産を、希望どおりに分割することができなくなる恐れ
さらに、上記①の場合、成年後見人が関わるため、相続人が希望をする内容で相続登記が出来なくなる恐れがあります。

3.奥様の遺言書にも影響が及ぶリスクあり!
奥様がすでに作成をしている遺言書は、奥様の財産が確定していることが好ましく、亡夫の相続財産につき、遺産分割が未了の状態では、奥様の遺言書の効力にも悪影響が及びます。

4.長男が亡くなると困難を極める恐れあり
相続登記をしないまま、仮に長男が亡くなると、子供がいなく、その配偶者が中国人であることから、新たな相続人は外国人となり、様々な不安要素を抱える状況であること。

そこで、司法書士から奥様に対し、上記の弊害を説明したところ、「理由は分かりましたが、法務局の方に言われたので少し見送ります。」と言われてしまいました。

法務局の登記相談は、「登記手続きの方法を説明する」のであって、相続財産をどのように遺産分割をしたら、その家族にとって最適であるかなどのコンサルティングはしません。

(公務員だから、あまり干渉できないという立場上の限界があると思われます。)

よって、注意が必要です!

やはり、相続専門の司法書士、税理士に相談をすることが、最も適切であると断言できます。

当事務所は、相続手続き、相続対策、認知症対策といった内容を専門としているため、経験も豊富です。

司法書士としてのコンサルティング能力や問題解決能力には自信がございます。

そして、依頼をして良かったと感じて頂けるよう、常に研鑽を積んでおります。